アメリカがおかしくなっている
研究・勉強用に読んだ.激しくお勧め.
アメリカがおかしくなっている―エンロンとワールドコム破綻の衝撃 (NHKスペシャルセレクション)
- 作者: 大島春行,矢島敦視
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2002/10
- メディア: 単行本
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題材はNHKスペシャルで2002年に放映された番組の書籍版.
読みがいのある内容でした.さすがNスペ!
ざっとお気に入りのポイント.
- エンロンはMBA取得者(100人以上)の通称ドリームチームを使い,色々なデリバティブを生み出し,ウォール街出身のディーラに取引させていた.
- 電力・ガス・天候デリバティブをいち早く開発し,おまけにブロードバンドデリバティブ(光ファイバーの回線量を取引)まで発明.
- 株主重視,マーケット重視の経営に固執するあまり,収益を不正にかさ上げし,負債を2000社以上のペーパーカンパニーに飛ばしまくる.
- アナリストはエンロンにだまされ続けた.アナリスト不要論が続発.
- 会計監査をしていたアンダーセンも一緒になって,負債隠し→エンロンと共にあぼ〜ん.
- それでもエンロン社員は皆,ストックオプションでぼろ儲け.
結果的にUBSにデリバティブ取引のディーリング部門を売却したが,そのディーリングシステムは,一流証券会社のそれよりも高度で大規模だったらしい.
エンロンはただのガス・電力会社でなく,金融機関以上のスーパー金融技術会社だった.
アメリカンドリームを成し遂げるには,一番いい会社だったと思われます・・・.