530万円をかけた「ねるとんパーティー」 in 青森(長文)

数年前から地元で話題になっていた県の事業が,無事に終了を迎えました.

少子化対策の一環として県が市町村に補助金を出し,お見合いパーティを開催.
2年間で200人弱の参加があったものの,ゴールインは1組.
目的の達成(1組)のためにかかったお値段は530万円=県民の税金.
結婚して幸せになった事はプライスレスですが・・・.

県民として,気持ちはものすごく分かります.本当に出会いがないんです.
住んでいる村,及びその周りの隣接する村の若者は皆知り合いです.
ある意味,ネット抜きでリアルなSNSが地方の市町村コミュニティには出来上がっています.しかもそのリンクは端(県内)で途切れているか,遠く飛んで都会までリンクしています.
要するに,老若男女の「若男女」は皆上京し,残っているのは「老+極若男女」だけ.
それ故に,市町村内でカップル→結婚のストリームが生まれないんだと思います.

過疎化の状況下で,どうすればいい出会いができるか?
これを青森県庁(木村前知事)は真剣に考えました.

その結果が,「お見合いパーティー」というイベントの提供でした.
SNS的に言えば,知事が自分で出会い系コミュニティを作り,市町村の若男女を参加させ,オフ会(ある意味リアル会)を開催(知事幹事).
そこでねるとん的なイベントを催し,カップル成立→ゴールインのシナリオを作成.

しかし結果は惨敗.
思うに敗因は,200人集めても皆どっかでリンクしてる事だと思います.
そんだけ,狭い世界なんです.
もちろん,限られた人数でも好みはしっかりあるとこは憎めない.

県内に閉じこもらずに,もっと世界を見ようよ!と切実に言いたい.
世界を見るためには,物理的に限界がないバーチャルを活用すべきでは?
そこで,結婚情報O-netの活用を提案したい.

県はO-netに入会するための補助金を出して,県民を参加させる.
県民はO-netを通じて全国規模でお見合い相手をググる
ヒットしたら手当たりしだいメールから交際.
但し唯一の検索条件として,男性なら嫁に来てくれる女性,女性なら婿になってくれる男性をチェック.
この仕組みで,O-netと県はWin-Winの関係になれると思います.

問題点としては,青森県のインターネット人口が全国で下から2番目である事.

これはリアルでもバーチャルでも,出会うな!と宣告している事と同じ事です.

余談ですが,自分は高校2年生の頃(1998年)にインターネットを始めました.
Windows98が発売された頃で,地方にもインターネットの波が押し寄せ始めていました.
しかし県内ではプロバイダというものがなく,PCを買ってもネットにつなげる事ができない浪人が続出していました.
そんな中自分は,秋田県に唯一あった小さなプロバイダと契約し,県をまたいでインターネットをしていました.
今では過疎地にもADSLが整備された模様で,インフラはだいぶ改善されたようです.

まずは,県内のIT人口を増加させる策を打ち出すべきではないでしょうか.
地方自治体でも,IT普及に積極的に投資している県はあります.*1

青森=リンゴ,ねぶたのイメージを払拭するような,新たな政策が必要です.
近い将来,なんらかの形で地元の活性化のために貢献したいと考えています.

*1:これをリサーチしたGartner社は,今後3年でPCメーカーが10社中3社になると予測したあの会社です.IBMはズバリでした.